【2023年最新】受発注システムの最新トレンドを解説
2023.09.06

現在、受発注システムの進化は止まることなく、新たな広がりを見せています。本記事では、そんな受発注システムが今どのような進化を遂げているのかをまとめ、読者の皆様の受発注システム導入の一助になればと思います。
受発注システムは、ヒューマンエラーを減らし、業務プロセスを効率化させるための重要なツールです。これまでは注文を電話やFAXなどのアナログな手法を用いて受け付けていた企業も、受発注システムを導入することで業務効率を飛躍的に向上させることができます。注文処理にかかる作業時間を大幅に短縮し、より重要な仕事に使う時間を増やしていきましょう。
2023年の受発注システムトレンド
早速ですが、現在の受発注システムのトレンドを見ていきたいと思います。
今回取り上げるのは、「AIの活用」「クラウドベースの受発注管理」「ロボットによるプロセスの自動化」の3つのトレンドです。
これらのテクノロジーによって受発注管理は、業務プロセスの大幅な効率化、セキュリティの強化、在庫の最適化などが実現されています。この章では、これらの3つのトレンドについてより詳細な内容をまとめた後、実際の活用事例を取り上げます。
人工知能(AI)と受発注:AIの活用による業務改善と将来の展望
近年、受発注システムにおける人工知能(AI)の活用が急速に広がっています。AIは、受注と発注のプロセスを効率化し、精度を向上させる大きなポテンシャルを秘めています。例えば、AIは過去の取引履歴から需要を予測し、発注数量を最適化することが可能です。これにより、在庫の最適化とコスト削減が実現できます。
さらに、AIは受発注プロセスにおける煩雑なタスクを自動化することで、従業員の負担を軽減します。自動的な受注書生成や発注書の確認など、ルーチン作業の自動化により、従業員は戦略的な業務に集中できる環境が整います。
将来的には、AIはより高度な認識技術を駆使して、受発注プロセスにおけるエラーのリスクを低減するとともに、顧客のニーズをより精緻に理解し、カスタマイズされた提案を行えるようになる可能性があります。また、AIを活用した受発注システムは、ビッグデータ解析と統合されることで、市場トレンドや需要予測をより正確に行う手助けとなるでしょう。
総じて、AIの受発注システムへの統合は、業務効率化と顧客満足度向上に向けた重要な一歩と言えるでしょう。企業は積極的にAI技術を取り入れ、他社との競争力を強化するための戦略を模索することが重要です。
旭食品が全国35ヶ所の物流拠点に導入した「需要予測型自動発注システム」の事例(日立製作所)
加工・冷凍食品などの卸売業を全国展開する旭食品は、2021年9月、全国35ヶ所の物流拠点に「需要予測型自動発注システム」を導入しました。
従来、600アイテムに及ぶ商品の一つ一つに対して、ベテランの担当者がこれまでの経験や勘を活かし毎日4時間の時間をかけ発注作業を行なっていました。しかし、今回のシステムを導入したことによりその作業時間は30分に短縮され、欠品が4割、返品も最大3割程度の低減に至ったそうです。
出典:旭食品、需要予測型のAI発注システムを導入し、作業時間を1/8、欠品を約4割、返品を最大約3割削減 ~日立が構築・導入を支援(i Magazine・IS magazine)
デジタル化とクラウドベースのトレンド:クラウドベースの受発注システムの利点とセキュリティについて
近年、DXへの注目が集まる中で、クラウドベースの受発注システムはますます注目を集めています。なぜなら、これらのシステムは業務の効率性を向上させ、アクセス性を強化し、セキュリティを高めるという多くの利点があるからです。
そもそも、クラウドとは、ユーザーがソフトウェアを購入・保存しなくても、インターネット経由でそのとき必要な機能を必要な分だけ利用できる仕組みです。これにより、データのバックアップや共有が簡単になり、どこからでもデータにアクセスできるため、効率的で便利な方法として利用が広がっています。
クラウドベースのシステムは、オンプレミス(サーバーやソフトウェアを自社で保有・運用するシステムの利用形態)のソリューションに比べてコストが低く、そのときのビジネスに応じて必要なだけ機能を追加、削減ができます。
セキュリティ面でも、信頼性の高いデータバックアップ、多層のセキュリティプロトコル、定期的なアップデートが提供されます。これにより、自社で保有するオンプレミス型よりもデータ漏洩やサイバー攻撃からの保護が、さらに強化された形で日々のビジネスを推進することができます。
クラウド型の受発注システム「COREC」によるスポーツカー整備業務の効率化事例(COREC)
HONDAのスポーツカー「NSX」の整備・カスタマイズをメインに受注しているT3 TECはクラウド型受発注システムCOREC(コレック)の導入によりスムーズな発注内容の共有と入荷状況の管理を実現しています。これまで、T3 TECでは発注作業をFAXで行っており、毎回紙のファイルをめくり入荷状況や在庫状況を確認する必要がありました。また、在籍している整備士が各自で発注業務を行っているため誰が何をどれだけ発注したのか、発注のたびに確認する必要がありました。T3 TECはこのような状況下でCORECを導入することで、整備士が各自発注したものがクラウド上でどこでも一覧で確認できるようになり、業務時間の削減に繋がったようです。
出典:COREC利用事例 | T3 TEC (自動車整備工場)
自動化とロボティックプロセスオートメーション(RPA):受発注業務におけるRPAの導入事例と効果
2023年の受発注システムのトレンドにおいて、自動化とロボティックプロセスオートメーション(RPA)も業界内で大きな注目を集めています。企業は受発注業務にRPAを導入することで、繰り返しのルーチン作業を効率的に自動化し、人的エラーを軽減するなどの成果を上げています。
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの頭文字をとったもので、コンピュータープログラムを使って、日々の反復的な作業を自動化する技術です。これにより、コンピューターボットがタスクを代行し、ヒューマンエラーを排除し、生産性を向上させます。例えば、データ入力やファイルの移動などの単純な業務を自動的に処理します。
企業受注センターの受発注業務のRPA化事例(SB Mobile Service)
企業受注センターでは、これまで、顧客からの注文を電話・FAXで受注しており、手書き帳票約7,000件/月の処理を担当者4人で対応していました。RPAの導入により、受注から発送まで4人の従業員の人力のみで対応していた旧体制から、担当者を1人に削減し、年間100時間の削減に成功しています。
出典:【導入事例】受発注業務(旧体制)のRPA化と作業効率化 ~企業受注センター様~(SB Mobile Service)
以上が、現在の受発注システムの最新の流れです。テクノロジーが進化していくことで、これまでベテランの従業員が経験と勘を持って対応していた発注業務を誰でも対応できるようになり、その業務に従事する人数や時間も大幅に削減することが可能となります。最新の受発注システムを導入することで、そのほかの重要なタスクに集中して取り組む時間を積極的につくっていきましょう。
受発注システムを導入するメリット
ここまで最新テクノロジーや受発注システムによる業務改善の事例を見てきましたが、ここからは改めて受発注システムを導入するメリットをまとめていきたいと思います。受発注システムの導入は単なるコスト削減ではなく、副次的にビジネスを推進させていく多くのメリットをもたらす強力なソリューションになりえます。
生産性の向上
受注から発注までのプロセスを自動化することで、ヒューマンエラーや遅延を防ぐことができます。従来の電話やFAXなどの手作業による受発注プロセスでは、人為的なミスが発生するリスクが常に存在しています。例えば、注文内容の誤入力や数量のミスなどが挙げられます。しかし、受発注システムを導入することで、データの正確性が向上し、ヒューマンエラーによるミスを大幅に改善することが可能です。
また、作業的な時間を短縮することも生産性の向上に繋がります。煩雑な手続きや書類作成に時間を費やすのではなく、より重要な業務に集中する時間を作り出すことができます。これにより、効率的な業務遂行が促進され、組織全体の生産性が向上します。さらに、自動化されたプロセスによって業務のスピードが向上するため、顧客からの要望により迅速に対応できるようになり、顧客満足度も向上するでしょう。
受発注システムの導入による生産性の向上は、ヒューマンエラーや遅延の軽減、重要業務への集中、効率的な業務遂行、そして顧客満足度向上という多面的な利点をもたらします。
現在、アナログな方法で受発注の管理を行っている会社様は是非受発注システムの導入をご検討ください。
在庫管理の最適化
受発注システムを導入することには数々のメリットがありますが、その中でも特に重要な一つが「在庫管理の最適化」です。このシステムによって、企業は正確な在庫データをリアルタイムで把握することが可能となります。その結果、在庫コストの削減が実現されます。
従来の在庫管理では、予測の誤差や予期せぬ需要変動に対応するために余剰在庫を抱えることがありました。しかし、受発注システムの導入によって在庫状況をリアルタイムでモニタリングできるため、需要と供給のバランスをより精密に調整することができます。
さらに、正確な在庫データをもとにした的確な受発注プロセスは、顧客に対して迅速かつ正確な納期を提供することができます。顧客は自身のニーズに合わせた商品やサービスを適切なタイミングで受け取ることができるため、顧客満足度が向上し、長期的な取引に繋がることもございます。遅延や欠品を最小限に抑えることで、信頼性のある取引関係を築くことができるでしょう。
データの利活用の可能性
受発注システム内に蓄積されたデータは、まさに未来のビジネス推進における貴重な資産と言えます。これらのデータは、過去の受注・発注履歴、在庫動向、そして顧客の購買パターンといった幅広い情報を包括しています。この情報を適切に解析し活用することで、企業は未来の戦略をより確実性の高い形で立てていくことができるようになります。
まず、過去の受注・発注履歴を分析することで、どの商品やサービスがどれだけの需要を持っていたかを把握できます。これにより、需要のピークやトレンドを把握し、将来の需要を予測する根拠を得ることができます。また、在庫動向のデータを利用すれば、適切な在庫レベルを維持しながら過剰在庫を回避することが可能です。
さらに、顧客の購買パターンを分析することで、個々の顧客の好みやニーズを理解し、ターゲットマーケティングを行う手段として活用できます。これにより、お客様に追加の商品を提案できたり、適切なタイミングで新たな提案をすることができるようになります。
まとめ
今回の記事では、受発注システムの最新トレンドと実際の活用事例をみてきました。膨大な作業に追われミスが発生しがちな受発注業務を効率化するためのヒントになりましたら幸いです。もし、現在行っている受発注業務の中で課題感を抱いている企業様がいらっしゃいましたら、弊社のBtoB向けクラウド型受発注サービス「受注ハック」導入をご検討ください。専門のスタッフがお客様のお困りごとに合わせて、解決策をともに考えてまいります。お客様のビジネスのさらなる発展を全力でサポートいたします。