ペーパーレス化とは?成功事例からわかりやすく解説

    2023.11.10

    ペーパーレス化とは?成功事例からわかりやすく解説

    毎日の業務で大量の書類に悩まされていませんか?コロナ禍を経てリモートワークの比率も上がっている現在、ペーパーレス化はどの企業にとっても重要なテーマの一つになっています。DX化の文脈においても紙の書類管理ではなく、データで管理することによって、いつでもどこでも必要なデータを閲覧することができるようになるという大きなメリットが語られています。

    ペーパーレス化は、新しい働き方を実現するための一つの解決策であり、業務効率化の大きなドライバーとなる施策です。本記事では、様々な会社の成功事例を通じて、ペーパーレス化のメリットと具体的な実現方法を解説していきます。

    ペーパーレス化とは? 

    ペーパーレス化とは、紙の使用を最小限に抑え、業務プロセスをデジタル化し、業務効率化やコスト削減を図ることです。従来の業務プロセスでは、書類作成やコピー、保管、請求書処理など数多くのプロセスにおいて大量の紙が使用されてきました。これを電子文書管理、オンラインでのコミュニケーションツールの導入などを通して、業務効率を向上させていきます。

    2020年の総務省の調査によると、ペーパーレス化の実施は直近3年以内の実施が18.0%3年以上前からの実施が42.4%という結果となっています。現在、すでに約60%の企業がペーパーレス化施策を実施している状況です。

    2022年の電子帳簿保存法の改正も追い風となり、ペーパーレス化はより加速度的に進んでいくと考えられます。

    ペーパーレス化の成功事例

    ペーパーレス化の成功事例ここからはペーパーレス化を成功させた企業を3社ご紹介させていただきます。それぞれ紙資料の大幅な削減や、手入力にかかる工数や時間を削減させることに成功した事例を集めています。もちろん簡単にコスト削減や業務効率化を成功させることは難しいものの、実際の成功事例を参照しながら自社で取り組むときの成功の確度を高めていくことは可能です。元々の問題意識は個社ごとに少しずつ異なりますが、コスト削減・業務効率化を進める目的やその上でどのような手法を選んだのかは知っていて損はないと思います。

    受注作業の時間を5分の1へ:花王プロフェッショナル・サービス

    洗剤メーカーである花王の業務用品や衛生管理サービスを事業者向けに提供する会社である花王プロフェッショナル・サービス様の事例をご紹介させていただきます。

    花王プロフェッショナル・サービス様の主な取引先は、病院、介護施設などのメディカル・ヘルスケアサービス分野、飲食店や食品加工場などのフードサービス分野など、特に人手不足が叫ばれている業界です。そのため製品を売るだけでなく、顧客の業務全体を考慮したオペレーション改善の提案もされていたそうです。

    従来、注文の6割がFAXで、総勢40名ほどのスタッフが業務用品の発注書を11400枚ほど販売管理システムに手入力していました。注文内容がわからない場合はオペレータースタッフが営業に確認を取ったり、オペレータースタッフは常に間違ってはいけないというストレスの中で仕事をしなければいけなかったりと、効率の悪い業務フローが多く存在していました。

    そこで花王プロフェッショナル・サービスは、取引先が無料で使える受発注システム『BtoBプラットフォームライト』を導入し、FAX注文の割合を6割から4割まで減少させることに成功しました。とはいえ、残った4割のFAX受注に関してはこれまで通り、オペレーターの負担となります。

    そこで花王プロフェッショナル・サービス様は、『BtoBプラットフォームライト』のオプション機能である「発注書AI-OCR」を導入されました。「発注書AI-OCR」とは自社のFAXや得意先のFAX発注書の情報を読み取って、手入力なしで、データ管理できる方法です。「発注書AI-OCR」の導入前、FAX注文書1枚を処理するのに平均5 分掛かっていたそうですが、導入後は1分で終わり大幅な時間短縮につながっています。また、オペレータースタッフの間違ってはいけないというストレスも解消でき意味のある改革となりました。
    (出典:FOODS CHANNEL

    紙資料、年間4,800枚削減へ:オムロン

    ヘルスケアや電子部品などを提供する日本の電気機器メーカーであるオムロンが部門横断型で挑戦したペーパーレス化の事例です。コロナ禍でテレワーク環境の整備が求められた時期、社内IT部門主導で全社的に勤務形式の整備に成功したオムロンでしたが、「印刷や押印のための出社」はどうしても減らすことができなかったといいます。

    そういった状況から、部門別で個別最適でペーパーレス化、ハンコレス化を進めるのではなく、全社的な取り組みとして部門横断型でプロジェクトを進めていきました。社員の業務効率性やコロナ禍での安全性を最優先事項として考え業務効率化ツールを選定し、1年足らずで導入に成功したといいます。このまま全ての書類の電子化に成功した場合、年間約4800万枚の紙資料の削減、約14000万円のコスト削減につながります。

    この事例からは、個別最適では完全なペーパーレス化・ハンコレス化は難しいということ、「誰がどこまでやるのか」「時間がない」「ハレーションが心配」という社内の声を組み上げるとき、企業理念に共感した意欲のある社員でプロジェクトを組成し、スピード感を持って進めていくことで成功に近づけることができることがわかります。
    (出典:TECH PLUS

    脱エクセルで月最大70時間削減:北海道ジェイ・アール・システム開発

    JR北海道グループのITを支える北海道ジェイ・アール・システム開発が自社のワークフローの整備やエクセルからの脱却、ペーパーレス化・ハンコレス化を実現した事例をご紹介します。

    北海道ジェイ・アール・システム開発では、案件別の損益管理に課題がありました。必要なデータが複数のシステムやファイルに分散されており、案件ごとに損益管理・原価計算を行うのが困難な状況にありました。案件ごとに損益管理をエクセルのマクロに紐付けでまとめ、それを紙にプリントアウトし、決済者のハンコをもらうワークフローで運用されていました。

    そのような状況があったため、北海道ジェイ・アール・システム開発はクラウドERPZAC」を導入し、毎月の原価計算にかかる作業工数を70時間削減することに成功しました。必要なデータを複数のシステム・ファイルから集めてきて、案件ごとにエクセルで手作業で計算していた従来の方法から、今では必要なデータを入力すればZACが自動で原価計算を行ってくれるようになりました。

    当初の目的は以下の4つがあったそうです。

    ①内部統制の強化
    ②損益管理・原価計算の効率化
    ③損益予測制度の向上
    ④業務効率の向上

    クラウドERPの導入により、原価計算の作業効率の向上はもちろんのこと、案件ごとの損益情報の「見える化」、稟議申請・承認スピードの向上、新システムに適した申請・承認ワークフローの整備による相互牽制の実現など複数の効果があったそうです。
    (出典:PR TIMES

    ペーパーレス化のメリット

    ペーパーレス化のメリットペーパーレス化のメリットはわかりやすいものから、副次的な効果まで幅広い効果を期待できます。この章ではペーパーレス化のメリットについて5つご紹介いたします。

    コスト削減

    ペーパーレス化により、用紙や印刷コスト、保管コストなどが削減され、企業の経費削減につながります。また、その作業を行なってきた社員の労働時間の削減も可能です。

    セキュリティ対策をしやすい

    電子文書は紙文書と違い、アクセス制限や暗号化などのセキュリティ対策を簡単に実施でき、機密情報の保護を強化できます。それに伴って不正アクセスやデータ漏洩のリスクも低減させることができます。

    情報へのアクセスや検索が簡単になる

    データでの文書管理では、検索機能を活用して瞬時に情報を見つけることが可能となり、業務効率が大幅に向上します。長時間の文書探しや整理作業から解放され、資料作成の時間や思考の時間に割く割合を増やすことができるようになります。

    リアルタイムで情報を展開できる

    リアルタイムで情報を展開できるようになれば、その場にいない人とでも時間的なラグなく仕事を進めることができるようになります。副次的には、組織内のコミュニケーションを活発化させ、迅速な意思決定につながることもあります。

    リモートワークを推進できる

    従業員は、リモート環境でも文書にアクセスすることが可能となり、柔軟な働き方を実現することが可能です。セキュリティに関しても個別での設定が可能なので、重要書類はここでしか見られないようにするなど、データ漏洩のリスクも抑えながら労働環境の整備を行うことができます。

    ペーパーレス化を成功させる6ステップ

    ペーパーレス化を成功させる6ステップここまで企業のペーパーレス化の成功事例とメリットを見てきました。ここからは実際にペーパーレス化を成功させるための一般的なステップをご紹介いたします。

    ①ペーパーレス化を進める目的を明確化する

    ペーパーレス化のプロジェクトを開始する際には、明確な目的を定義しておくことが重要です。これによって組織内の方向性が明確になり、途中でプロジェクトの進捗が滞っても当初に策定した目的に立ち返って再度プロジェクトをスピード感を持って進めていくことができます。

    また、プロジェクトを進める際、実際にツールやシステムを使うことになる現場の人たちの理解を得ることも重要です。現場の人たちに重要性や利点を説明する際にもはじめに目的を明確化させておくことは必須となります。

    北海道ジェイ・アール・システム開発の事例では、内部統制の強化、損益管理・原価計算の効率化、損益予測制度の向上、業務効率の向上などを目的としていました。

    ②紙で保存・管理している文書を洗い出す

    現在紙で保存・管理している文書を特定し、電子化の対象となる文書を洗い出すことがプロジェクトの出発点となります。文書の種類、所在、重要性を整理していきましょう。リソースが限られているのであれば、紙の使用量の多いところに重点的に取り組むなど、プロジェクトの進め方を決める際にもまずはこの作業は重要となります。

    ③ペーパーレス化できるものできないものを仕訳する

    重要な書類や、紙が必要な厳格なプロセスも存在します。ペーパーレス化できない部分に関しては無理にせず、ミスやトラブルを事前に防ぎましょう。

    ④ペーパーレス化するためのシステムを選定する

    当初の目的をもとに、システムを選定していきましょう。その際には、重要視する項目を決めておくことが必要です。例えば上記のオムロンの事例の場合は、コストよりも社員の業務効率性やコロナ禍での安全性を最優先事項として考えてツール・システムの選定を行なったそうです。

    ⑤運用ルールを明確に策定する

    文書の電子化に伴い、新たな運用ルールやワークフローを設定する必要があります。文書の承認フロー、アクセス権の設定、データのバックアップに関することなどを明確に定義し、実際に運用し始めてから現場の社員から不満が出ないように整備しておきましょう。

    ⑥社内全体への周知・理解を得た上で実行する

    ペーパーレス化のプロジェクトの成功には、組織内の全てのステークホルダーや授業員の協力が必要です。計画の進捗状況や変更については適宜コミュニケーションを行い、スピード感を持ったプロジェクトの進行を心がけましょう。理解が得られていない場合、実際はあまり使われずに終わってしまいかけた予算以上のリターンを得られない場合があります。

    ペーパーレス化を推進するためのオススメのソリューションは?

    ペーパーレス化を推進するためのオススメのソリューションは?次にペーパーレス化を推進するための具体的なソリューションを見ていきます。ここでは特に効果の高い3つのソリューションをご紹介いたします。

    ①Web受発注システム

    ペーパーレス化を実現するためのソリューション1つ目は「Web受発注システム」です。Web受発注システムを導入すれば、取引先に負担をかけることなく受発注作業が完結します。従来は、受発注をエクセルなどで管理されていた会社様も、Web受発注システムでは、ブラウザ上で商品の個数や仕様を選択するだけで受発注業務が完了します。

    FAXを使うためであったり、これまでの受発注資料などを確認するために出社する手間がなくなり、柔軟な働き方を実現することができます。

    操作画面も、ITに慣れていない人に合わせた直感的にわかるデザインになっているシステムもあるため負担なく導入を進められるかと思います。

    上記の花王プロフェッショナル・サービス様の例でも、Web受発注システムは活用されています。FAXでの受発注から、Web受発注システムに切り替えることで、紙・印刷コストの削減だけでなく、作業時間も大幅に削減でき、ペーパーレス化を含めた業務改善をスピード感を持って進められます。

    ②AI-OCR

    OCRとは、画像データの文字情報を抽出し、文字データに変換する技術のことです。それにAI技術を搭載し、文字識字率を高めたり、異なるフォーマットでも読み取れたりするのがAI-OCRになります。

    具体的なメリットとしては、名刺や文書のペーパーレス化はもちろんのこと、手入力の手間が省けることや、情報のデータベース化などが挙げられます。

    上記のWeb受発注システムとAI-OCRを併用して活用すれば、さらに強力な業務改善につながります。花王プロフェッショナル・サービス様の事例でも、Web受発注システムとAI-OCRを併用し、FAX注文でしか対応の難しいお客様に対しても、手間をかけることなく受発注処理を進められています。

    ③契約書の電子化

    3つ目は、契約書の電子化です。契約書の電子化とは、紙の契約書の代わりに電子データにサインをもらい契約をする方法のことです。

    物理的な契約書の場合、収入印紙や郵送のコストがかかってきますし、そのための作業時間も必要となります。それに対し電子契約書の場合は、そのような手間が一切省ける上に、タイムスタンプと呼ばれるインターネット上の取引や手続きが行われたこと証明するサービスを利用して紙の契約書よりも高いセキュリティ・コンプライアンスを実現できます。

    まとめ:「受注ハック」でペーパーレス化を実現しましょう

    まとめ:「受注ハック」でペーパーレス化を実現しましょう弊社のBtoB向けクラウド受発注サービス「受注ハック」では、大量の紙の管理や入力作業の手間、バラバラなフォーマットでの管理などのお悩みをお抱えの会社様の課題を解決しています。

    弊社サービス「受注ハック」は、ITに不慣れな方でも安心してお使いいただけるわかりやすい機能・デザインを実現しています。もし導入後にお困りごとが生じた場合は、すぐに専任スタッフがご対応いたします。最短3日での導入が可能ですので、お気軽にご相談ください。

    ペーパーレス化は、組織の効率向上、コスト削減、セキュリティ向上など多くのメリットがあります。何から初めていいのかわからない場合は、弊社にご相談いただければ弊社のシステムでどのように解決できるかご提案させていただきます。

    デジタル化・業務改善という立場から、お客様の事業成長のサポートをいたします。少しでもご興味ございましたら、お問い合わせフォームからご連絡お願いいたします。

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