注文書の保管期間はどのくらい?電子保存と紙保存の違いも解説!

    2023.10.18

    注文書の保管期間はどのくらい?電子保存と紙保存の違いも解説!

    注文書や発注書は、電子帳簿保存法により一定期間の保存が義務付けられています。202411日からは、電子取引における電子データ保存が義務化され、守れなかった場合、罰則を受けてしまう可能性があります。

    本記事では、電子帳簿保存法で定められている注文書・発注書の保存期間と罰則をまとめ、その後、具体的な保管方法について紹介します。法律の内容を知らないことで罰則を受けてしまわないためにも、本記事を参照し、法律に準拠した形での注文書・発注書の保管を進めていきましょう。

    注文書・発注書の保管期間はどれくらい?

    注文書・発注書の保管期間はどれくらい?結論から申し上げると、法人は「7年間」、個人は「5年間」の保存が義務付けられています。青色申告の事業年度に欠損金が生じた場合はこの年数が伸びるなどの、詳細に関しては以下に記載していきます。

    法人の場合

    冒頭で申し上げた通り、法人の場合、原則として確定申告書の提出期限の翌日から「7年間」の保管が義務付けられています。欠損金の繰越のある事業年度に関しては、10年間の保存が求められます。

    個人の場合

    個人の場合は、原則として「5年間」の保存が義務付けられています。これは青色申告でも白色申告でも保管期間に変動はありません。

    保管しなかった場合の罰則

    保管しなかった場合の罰則基本的には、注文書・発注書を規定の期間保管できなかった場合の罰則は存在しません。しかしながら、適切に保管できておらず取引を証明できなかった場合の追加徴税や、ペナルティとしての青色申告の取り消しなどを受けてしまう可能性もございます。以下に詳しい内容を記載します。

    青色申告の取り消し

    個人事業主の場合、適切な保管ができていなかった場合のペナルティとして青色申告の取り消しが行われる場合がございます。もし青色申告が取り消された場合、下記のようなデメリットが発生します。

    ・取り消された事業年度の赤字(欠損金)の繰越ができなくなる
    ・最大65万円の青色申告特別控除を受けられなくなる
    ・青色申告者の専従者控除を受けられなくなる
    1年間青色申告の再申請ができなくなる

    上記のようなデメリットが発生するため、必ず電子帳簿保存法に準拠する形でのデータの保存を心がけましょう。

    追加徴税の可能性

    もし規定の期間、注文書・発注書を保管できていなかった場合、経費処理が認められず追加徴税が発生してしまう場合があります。過少申告してしまった場合は、50万円以下の不足税分に10%50万を超える場合はその分に15%の追加の税金を支払う必要が生じます。

    悪質な過少申告だと判断された場合、過少申告加算税に加えて35%の税率の重加算税が課されます。データの改ざんや捏造に該当する行為をしてしまった場合、通常35%の税金が45%に膨れ上がります。このような行為をしてしまわないよう、適切な文書管理をしていきましょう。

    注文書・発注書の保管方法

    注文書・発注書の保管方法注文書・発注書の保管方法は、大きく「電子データ」で保管する場合と「紙」で保管する場合の2つに分けられます。これは電子帳簿保存法に依拠した分け方で、それぞれ細かい要件が定められているため以下で詳細を確認していきます。

    注文書・発注書を「電子データ」で保管する場合

    注文書・発注書の「電子データ」での保管は大きく3つに分けられます。1つ目は「電子データ」で作成した書類を「電子データ」のまま保存する場合、2つ目は、「紙」で作成された書類をスキャンし「電子データ」として保存する場合、3つ目は「電子」的に授受したデータを「電子データ」のまま保存する場合です。以下に細かい内容について記載していきます。

    ①社内のシステムを用いて「電子」的に作成した書類を「電子データ」のまま保存
    社内の会計ソフトや受発注システムなどを用いて作成した注文書は、そのまま電子データで保管をしましょう。その場合、次の章で紹介する 〈真実性の確保〉と〈可視性の確保〉の要件に準拠する必要があります。
    細かい要件が定められているため、「注文書・発注書を電子データで保管する場合の要件」の章をご確認ください。

    ②「紙」で作成・受領した書類をスキャンし、「画像(電子)データ」として保存
    「紙」で作成・受領した書類は、そのまま「紙」で保管するか、スキャンをして「電子データ」として保管をするかの2つの方法がございます。スキャンをして「電子データ」として保管する方法には、保管場所・文書管理コストの削減、書類の検索ができる、管理の際ヒューマンエラーを回避できるなどの様々なメリットがあります。
    スキャンに関しても要件が定められているため、次章「注文書・発注書を電子データで保管する場合の要件」をご確認ください。

    ③「電子」的に授受した取引データを「電子データ」のまま保存
    メールやクラウドサービスなどを介して受領した電子データは、そのまま電子データで保管をしましょう。従来は、授受した電子データをプリントアウトして紙で保存することができましたが、202411日からそのまま電子データでの保管が義務付けられます。

    「紙」で授受した注文書・発注書を「紙」で保管する場合

    「紙」で授受した注文書・発注書は「紙」のまま保管しても問題ございません。保管する目的は、税務調査に対応するためなので、「取引年月日」、「取引金額」、「取引先」などでまとめ必要な書類をすぐに参照できるよう整理しておく必要があります。
    紙での保管を適切に行うことが難しい場合、Web受発注システムなどを用いてそもそも紙の発注書を発行しないオペレーションで管理をするのもオススメです。

    注文書・発注書を「電子データ」で保管する場合の要件

    注文書・発注書を「電子データ」で保管する場合の要件送信・受領した電子データは、何もせずPC上に保存しておけばいいわけではありません。電子データ保存をする場合、〈真実性の確保〉と〈可視性の確保〉の2つの要件を満たす必要があります。2つの要件について以下で解説していきます。

    〈真実性の確保〉

    真実性の確保の要件については以下の「いずれか」を満たす必要があります。

    :タイムスタンプの付与(付与された文書の受領、もしくは自社で付与)
    タイムスタンプとは、インターネット上の取引や手続き等が行われた時刻や電子文書の存在した日時を証明するサービスです(総務省)。これらが付与できるシステムの導入が求められます。
    総務大臣が認定するタイムスタンプを付与する必要があるため、ハードルが高い要件となります。の項目で真実性の確保の要件に対応することをおすすめします。

    :訂正や削除を確認できる仕組みを備えたり、訂正や削除ができないようにする仕組みを備えたシステムの利用
    訂正や削除の履歴が残りそれらを確認できる、もしくは訂正や削除ができないソフトウェアの導入が求められます。訂正や削除を行う際のルールを整備する必要がありますが、の要件よりも簡単に対応できる内容かと思います。

    :訂正や削除を防止するための事務処理規定の作成と運用
    データの訂正・削除は原則禁止であったり、やむを得ず削除・訂正する場合は申請書を用いて運用する旨を記載した事務処理規定の運用で対応することも可能です。詳しくは国税庁が提供している電子取引の事務処理規定の雛形を見て作成すると簡単です。

    この場合、システムは導入せず、請求書や契約書をエクセルやスプレッドシートなどで管理したり、ファイル名を整理してPC内で管理したりすることになると思いますが、その際に取引年月日、取引金額、取引先を付与し、検索可能な環境を構築しておく必要があります。
    システムを導入しなくても〈真実性の確保〉の要件に対応できるため最もコストを抑えて電子帳簿保存法に対応できる方法です。

    〈可視性の確保〉

    可視性の確保の要件については以下の項目を「全て」満たす必要があります。

    :ディスプレイ・プリンタの設置
    保存しているデータをいつでも速やかに表示・印刷できるようにするために設けられている要件です。操作説明書も備え付けて用意しておく必要があります。

    :データの検索機能の確保
    「取引年月日」、「取引金額」、「取引先」で検索したときに任意の書類がすぐに出てくるようにしておかなければなりません。

    :システムの使い方が分かる資料を用意する(自社開発システムのみ)
    こちらは自社開発のシステムを利用している場合のみの要件ですが、システムの概要書や説明書を用意しておく必要があります。

    要件に沿った注文書・発注書の保管は「Web受発注システム」がオススメ

    要件に沿った注文書・発注書の保管は「Web受発注システム」がオススメ「紙」で注文書・発注書を保管する場合、一つ一つの書類をすぐに参照できる形で保管しておく必要があります。また、「電子データ」のまま保管する場合にも多くの要件を満たしながらの保管でないとペナルティを受けてしまう可能性がございます。

    これらの面倒ごとはWeb受発注システムを導入することで解決することができます。もちろん月々の運用コストはかかってきますが、日々の書類の管理コストや受発注におけるアナログな業務時間を勘案してみると、結果として導入した方が業務効率化につながる場合がほとんどです。

    弊社のWeb受発注システム「受注ハック」では上記の要件を満たした書類の管理を行うことが可能です。それだけでなく受発注まわりの面倒な業務を全てデジタル化し、毎日多くの時間を費やしてきた作業的な時間を大幅に短縮することが可能です。

    詳しくは下記URLから「受注ハック」の詳細をご確認ください。
    https://juchuhack.com/

    Web受発注システムで保管することによるメリット

    Web受発注システムで保管することによるメリットWeb受発注システムで注文書・発注書を保管・管理することのメリットは数多く存在します。その中で代表的なものを3つご紹介いたします。Web受発注システム導入の一助となれば幸いです。

    ①業務効率化

    「紙」ではなく、「電子データ」で保管をすることで、どんな人でも簡単に情報にアクセスできるようになります。また、必要な情報をすぐに見つけることができるので、書類検索にかかる時間も短縮できます。Web受発注システムを使って書類を管理することは、ヒューマンエラーを減少させ、ミスによるクレーム処理や異なるフォーマットで取引している取引先ごとの確認時間などのタイムロスを回避することができます。
    全ての情報を一元化し、誰でもアクセスできるデータ管理をしていくことは強力な業務効率化につながります。

    ②コスト削減

    書類の管理場所のコストや紙の廃棄コスト、印刷コストなどを削減することができます。また、「紙」の書類をそのままシステムに手入力されている会社様の場合、そのアナログな時間も削減することができます。
    作業的な時間ではない、長期的に行っていかなければならない重要な課題に取り組む時間を創出することができます。

    ③テレワークへの対応

    Web受発注システムで管理すると、オフィス以外の場所であっても見たい資料・書類を高いセキュリティ性を守りながらアクセスできるようになります。紙書類だと、見たい時にすぐ見られなかったり、紛失してしまったりする恐れもあるのでWeb受発注システム上で管理することをオススメします。

    まとめ

    注文書・発注書の保管期間について電子帳簿保存法に依拠しながらまとめました。現在、「紙」の書類を「紙」のままで問題なく保管できている場合は、そのままの運用でも問題ございません。

    とはいえ、そもそもの受発注業務を根本から見直し、デジタル化を推進していくことで大きな業務効率化を達成することができるかもしれません。ご興味のある方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。

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