事例から学ぶ!Web受注システムの導入パターンを徹底解説

2023.09.13

事例から学ぶ!Web受注システムの導入パターンを徹底解説

現在、業務効率化や働き方改革の推進によりWeb受注システムを導入される企業様が年々増加しています。これまでFAXや電話などアナログな手法を用いて受発注業務を行われていた会社様がWeb受注システムを導入することで、膨大なコスト削減に成功しています。その結果、コスト削減だけでなく、より重要な業務に時間を割くことができるようになり、事業のさらなる発展に寄与しています。

一口にWeb受注システムと言っても、様々な技術が用いられたものがあり、自社の事業内容やシステム導入の目的によって適切なシステムを選択していく必要があります。必要のない機能を有したシステムを導入してしまい無駄なコストが発生する恐れもあります。本記事を参考にしながら、適切なWeb受注システムの導入を実現していきましょう。

Web受注システムの導入パターン

Web受注システムの導入パターンここからはWeb受注システムの最新トレンドを押さえながら、4パターンのWeb受注システムをご紹介いたします。特定の業界で用いられる技術があったり、強力な業務改善に繋がるものの導入コストが非常に高いものもあったりするので、自社の事業内容と照らし合わせながら最も適切なWeb受注システムはどれなのかを考えながら読んでいただければと思います。

説明の際には、実際の導入事例を用いながら説明していくので、導入による業務改善へのインパクトの大きさも合わせて理解できると思います。

IoTデバイスと連携したシステム

1つ目は、「IoTデバイスと連携したシステム」です。そもそもIoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、身の回りのモノがインターネットでつながる技術のことを指します。これまでにインターネットにつながるモノの代表例はパソコンなどのコンピューターでした。しかし現在は、スマートウォッチやエアコン、スピーカー、冷蔵庫など家庭にあるあらゆるモノがインターネットに接続され音や熱、振動を感知してさらなる便利な機能をもつようになってきています。

Iotデバイスは、「モノのインターネット」のモノに当たる部分です。IoTデバイスはセンサを用いて、モノや人の動きや状態を感知することが可能です。この技術は、受発注のシステムにも活用されています。

IoTデバイスと連携したシステム」は主に、大きな工場をもつメーカーや卸売業者の方々が活用しています。「在庫量をチェックして仕入れ先に発注する」という業務をIoTセンサと発注システムを活用することによって自動化し、ベテランの社員がこれまでの経験を活かして行なっていた業務を完全にデジタル化することを可能にしています。一部の社員しかその業務を行うことができないという属人化の問題であったり、ヒューマンエラーの問題など、在庫管理における課題がある場合に利用される技術です。

導入事例:株式会社 アメロイド様(SmartMat Cloud
株式会社アメロイド様は、液体を浄化する装置を製造するメーカー様です。製造業における在庫管理の目的は、「適正在庫を維持すること」で、過剰な在庫を保有するのもコストとなりますし、欠品を出してしまうと経済的な損失につながってしまいます。株式会社アメロイド様は、IoTを採用した在庫管理システム「スマートマットクラウド」を導入し、工場での在庫管理の課題を解消されました。これまで活用していた在庫管理システムでは、入出庫数から算出した理論在庫をもとに管理をしていました。しかしながら、手作業での入出庫処理により、算出された理論在庫と実在庫に差が出てしまうことも少なくなく、それが過剰在庫や欠品の原因となっていました。

IoTを採用した在庫管理システム「スマートマットクラウド」の導入は、次の3つのポイントで効果があったそうです。1つ目は、「在庫の見える化」です。在庫データを数値やグラフ化し、リアルタイムの在庫状況を可視化することです。2つ目は、「在庫管理の自動化」です。これまで、手動で行なっていた在庫チェックや発注作業を、コンピュータが自動で行うことです。3つ目は、「在庫の一元管理」です。各工場の在庫状況を報告ベースで管理するのではなく、すべてセンサで読み取ったデータで管理することで、報告の手間を解消できるとともに、常に正確なデータを確認することも可能になりました。

在庫管理の現場では、在庫をIoTを採用した在庫管理システムで管理することでベテランの社員に頼ることなく、膨大なコストを削減が可能となりました。
(出典:SmartMat Cloud 

クラウドベースの受発注システム

クラウドベースの受発注システムクラウドベースの受発注システムは業界問わず幅広く活用されています。そもそも、クラウドとは、インターネット経由でそのとき必要な機能を必要な分だけ利用できる仕組みです。クラウドベースのシステムは、オンプレミス(買い切り型が多い)のソリューションに比べて導入コストが低く、そのときのビジネスに応じて必要なだけ機能を追加、削減ができます。

クラウドベースの受発注システムは、電話やFAXでの受発注を全てインターネット上で完結させるものが多く、入力作業の手間や大量の紙の管理、ヒューマンエラーなどを解消することが可能です。

導入事例:井村屋グループ株式会社様(楽々販売)
井村屋グループ株式会社様は、あずきバーや肉まんの製造販売を行う会社です。課題は以下の3点でした。一つ目は、店舗から本部への発注にFAXを用いており、FAXが届いていない・出庫を忘れている状況があったこと。二つ目は、在庫をExcelで管理していて、実際の個数と数が合わないことがあったこと。三つ目は、予約の集計をExcelで管理していて手間だったことです。これらの課題をクラウド型受発注管理システム「楽々販売」を導入し解決したそうです。FAXを廃止し、データベースで管理することにより確認漏れがなくなり、ペーパーレス化にもつながりました。Excelでの管理をやめ楽々販売のみでの管理に切り替えることで、情報が一元化され業務量を30%減少させることができたそうです。
(出典:楽々販売

AIを活用した自動発注システム

AIを活用した自動発注システムAIを活用した自動発注システムは、多くの店舗を持つ小売業をメインに活用されています。そのほかにも、製造業や飲食業での利用もあります。季節やイベントなどの変動データを考慮したA I需要予測をもとに自動で受発注を行うもので、在庫の最適化とコスト削減が実現できます。

最新のAIを活用した需要予測型の自動発注システムは、気象や販促、在庫、棚割り、廃棄など多くの変動データを考慮しながら高い精度の需要予測ができるようになっています。これまで消費期限が短い商品に関しては、予測が難しく経験のある社員がアナログで対応しているのが現状でした。しかし、年々AIの精度が高まっていくにつれ、スーパーのような商品の種類や点数の多い店舗であっても自動発注できる商品の割合は高まっています。

AIを活用した自動発注システムは便利な反面、導入コストが高く、ある程度の運用スキルも要するため店舗展開も多く、規模の大きい事業者様で導入が進んでいます。

導入事例:株式会社ヤオコー様(日立製作所/オプティマムアーキテクト)
埼玉を中心に関東地方でチェーン展開されているスーパーマーケットである株式会社ヤオコー様では、202211AIを活用した自動発注システムを全182店舗に導入しました。需要の予測には、30種類の変動データを用いて予測を行い、これまで発注業務にかかっていた時間を85%削減することに成功したそうです。

また自動発注率も65%から98%まで向上させ、ほとんど人が関わることなく受発注業務を完結させています。
(出典:IT Leaders

RPAを活用した入力作業自動化システム

RPAを活用した入力作業自動化システムRPAを活用した入力作業自動化システムは、どの業界でも活用されています。特に、決められた業務の多い、金融、製造、建設、自治体では多く活用されています。

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの頭文字をとったもので、ルーティン業務をロボットで自動化する技術のことです。これにより、ロボットがタスクを代行し、ヒューマンエラーを無くし、生産性を向上させます。例えば、データ入力やファイルの移動、簡単な情報収集などは、RPAの得意分野で代替することが可能です。

受発注業務の中にも毎回同じ処理を人間が行なっている部分が多くあります。例えば紙で届いた注文書をシステムに手入力することであったり、注文を確認したメールを送付することなどです。これらの業務は、RPAを活用し自動化することが可能です。

導入事例:NEC ソリューションイノベータ自社プロジェクト『NES Project RISE』(NEC ソリューションイノベータ)
NECソリューションイノベータは20194月より、社内のあらゆる業務の工数削減を目標とした『NES Project RISE』というプロジェクトをスタートさせました。課題は、受発注の手続きにおける、業務システムへの手作業でのデータ入力の手間でした。結果としては、RPAを導入し、約20000時間の削減に成功しています。時間の削減だけでなく、データ入力の際に「ミスをしてはいけない」という精神的な負担の削減にもつながったのではないかと分析されています。

受発注業務が各事業部で個別最適の形で展開されていることを問題視し、業務内容を標準化し、誰でも取り組めるようにすることで、最終的に全てロボットで対応できるようになりました。

新たに受発注管理のシステムを開発するとなると膨大な費用がかかってきますが、RPAなら比較的少額で開発可能なので今回の事例ではRPAを活用した業務改善が行われたようです。
(出典:NEC ソリューションイノベータ)

中小企業のデジタル化にはクラウド型のWeb受注システムがおすすめ!

中小企業のデジタル化にはクラウド型のWeb受注システムがおすすめ!ここまで実際の導入事例を参照しながら、Web受注システムのパターンを解説してきました。AIIoTなどの最新技術を活用した受注システムは、膨大な導入コストがかかってくるため、そもそも数多くの店舗や工場を保有する企業でないとコストに見合ったリターンがない場合もあります。

ここからは、中小企業のデジタル化に着目し、その実現ために最適なシステムである「クラウド型のWeb受注システム」についてより深ぼって見ていこうと思います。クラウド型のWeb受注システムは費用的にも期間的にも導入にかかるコストは比較的少なく、小さな事業者様であってもすぐに始められるデジタル化施策の一つです。

メリット

クラウド型のWeb受注システムを選択するメリットは以下の3つです。

①導入費用が抑えられる
②短期間で導入できる
③必要な機能を適宜追加できる

一つずつ詳しく見ていきましょう。

①導入費用が抑えられる
一つ目は、導入費用が抑えられるということです。クラウド型のWeb受注システムは、新たに1から開発をするものではなく、サービス提供側から用意されたインフラを使うことができるため費用を抑えることが可能です。

②短期間で導入できる
クラウド型のサービスは申し込み後すぐであったり、個社ごとに簡単なチューニングを行ったりして1週間程度で使えるようになるサービスも多くあります。サーバーやネットワーク機器を自社に設置して、開発をしてというオンプレミス型に比べれば圧倒的に短期間での導入が可能です。

③必要な機能を適宜追加できる
常に最新の状態に更新されるので、新たに必要な機能があったら適宜追加することが可能です。そのため今は使わないが今後必要となる機能を、すぐに導入する必要はなく無駄なコストがかかってくるのを防ぐことができます。使わなくなった機能も削除可能なので、常に必要な機能だけにお金を支払えます。

デメリット

クラウド型のWeb受注システムを選択するデメリットは以下の3つです。

①オンプレミス型と比べるとカスタマイズしづらい
②オンライン環境下でないと利用できない
③自社システムとの互換性がない場合がある

こちらも、一つずつ詳しく見ていきましょう。

①オンプレミス型と比べるとカスタマイズしづらい
システムやインフラの構築を全て自社で行うオンプレミス型と比較したら自由度やカスタマイズ性は劣ります。しかしクラウド型は、対象のユーザーがよく使う項目やより多くの人が使いやすい仕様を目指して作られているので、特別なフローがない限りクラウド型で対応できる部分も多いと思われます。

②オンライン環境下でないと利用できない
クラウド型はインターネットを経由してサービスを利用するため、オンライン環境下でないと利用できません。逆に、インターネット環境を整備できるのであれば場所を問わずどこからでもアクセスできるため、出社の必要性もなくなります。

③自社システムとの互換性がない場合がある
クラウド型は、自社のその他のシステムと連携が難しい場合があります。提供されているサービスごとに連携できるかどうかは異なるため導入前に確認が必要です。必ずシステムを連携して使いたい場合には、オンプレミス型でしっかり時間をかけて開発する必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実際の導入事例を参照しながら、Web受注システムの違いについて解説してきました。AIIoTなど、新たな技術がどんどん登場してくる中で、本当に自社の事業内容に必要な技術・機能なのか、しっかり吟味し、無駄なコストを発生させないことも重要になってきました。本記事が、最適なシステムを導入する手助けになっていれば幸いです。

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