受発注の業務フローを解説!注意点や効率化のポイントについて
2023.09.11

企業間取引において避けては通れない受発注業務。ビジネスの拡大とともに受発注のプロセスは複雑化し、業務が属人化してしまったり、ミスが増えてしまったりしている会社様も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、受発注の業務フローを再確認し、どこに注意し、効率化していけば良いのかを説明します。
受発注業務とは?
受発注の業務フローを確認する前にまずは、そもそも受発注業務とは何か?というところから確認していきたいと思います。受発注業務の大まかな流れはどこの会社でも同じですが、業界によって特別なフローを挟んだり、特有の連絡ツールを用いてやり取りされることがあります。ここからは、そもそもの受発注業務についてであったり、業界ごとの受発注業務のプロセスについて見ていこうと思います。
受発注業務は、企業間で行われる商品やサービスの発注・受注に関連する業務のことを指します。通常、受発注業務は、顧客からの注文を受けて商品やサービスを提供する側と、その注文を受け取って商品やサービスを受け取る側との間で行われます。
また、業種ごとに、受発注業務のプロセスや使用される連絡ツールなどが異なる場合もあります。例えば、製造業であれば顧客から注文を受け、生産計画を立ててから製品を製造します。この場合、品質管理や納期管理が重要になります。利用される連絡手段は、電話やメール、EDI(電子データ交換)、生産管理システムが主流です。それに対し、小売業では、顧客から注文を受け、商品をピッキング・梱包し、出荷手配を行います。この場合、在庫管理や返品処理が重要になります。利用される連絡ツールは、オンライン注文フォーム、FAX、電話、POSシステムなどです。
IT業界では、顧客からプロジェクト依頼を受け、要件定義・設計・開発・テスト・導入などのフェーズを通して、ソフトウェアやシステムを提供します。IT業界ではメンバー同士のチームワークが重要になるため、プロジェクト管理ツールやチャットツール(LINE、Slackなど)、ビデオ会議ツール(Zoom)が利用されることが多いです。
このように業界によって受発注業務のプロセスは異なる場合があります。本記事では、全ての受発注業務に通ずる一般的な流れを解説し、各フェーズの詳しい内容を説明していきます。
受発注業務の一般的なフロー
ここからは個別の会社・業界ではなく、どの会社にも通ずるような一般的な受発注業務のフローについてまとめていきます。
受注業務の流れ
下記は、受発注における「受注業務」の流れを図示したものです。お客様からお問い合わせが入ってから、実際に発送し、お支払いいただくまでのフローを示しています。
受注業務の詳しい解説
ここからは上記のフローチャートの詳細を説明していきます。
お客様からのお問い合わせ
お客様から商品やサービスに関するお問い合わせが入ります。お客様からのお問い合わせは、電話やメール、WEBのお問い合わせフォームを通じて行われることが一般的です。
見積もり
受注側は、お客様の要望に基づいて見積もりを作成します。見積もりには、商品やサービスの詳細な内容、価格、納期などが含まれます。お客様は、受け取った見積もりを元に予算の確認や他社との比較を行う重要なステップとなります。
受注確定・登録
お客様が見積もりを承認したら、受注が確定します。受注確定後は、実際の取引が開始されます。
まずは、受注内容をシステムに登録し、情報を整理します。受注情報や納期管理、在庫管理などのプロセスをスムーズに進行させるために行う作業です。ここのプロセスはアナログな手法で行われている場合もございます。
在庫確認・準備
受注した商品の在庫を確認し、必要に応じて新たに製造や調達を行います。受注側は、顧客に適切な納期を提供するために、在庫状況や製造・調達の進捗を的確に把握し、効率的な準備をする必要があります。
発送・納期管理
顧客への商品発送を手配し、納期を管理します。受注側は、発注側との連携や物流パートナーとの調整を行い、確実に納期を守るよう努める必要があります。また、必要に応じて、顧客に納期の変更を連絡することもあります。
支払・請求
商品が顧客に届いた後、請求書を発行して支払いを受け取ります。受注側は、正確な請求書を作成し、支払いを確実に受け取ることで、収益の確保や経理処理の円滑化を図ります。顧客との信頼関係を築くためにも、請求書の内容や支払い条件には十分な注意が払う必要があります。
発注業務の流れ
ここからは発注業務の流れを解説していきます。下記は、発注業務を簡単に図示したものです。必要な商品・サービスの要件を決め、実際に商品・サービスを受け取り、料金を支払うまでの流れを示しています。

発注業務の詳しい解説
ここからは上記のフローチャートの詳細を説明していきます。
要件の特定
発注側は、必要な商品やサービスの種類、数量、納期などの購入要件を特定します。これには、自社の運営に必要な原材料や部品の調達、新たなプロジェクトのための外部サービスの委託などが含まれます。
見積もり依頼
購入要件に基づいて、適切な業者に対して見積もりを依頼します。複数の業者に見積もりを依頼することで、価格や条件の比較が可能となり、より適切な発注先を選定することができるようになります。
見積もり受取・発注先の選定
業者から見積もりが送られてきたら、価格や条件を検討します。見積もりの内容や納期について、発注側内で検討し、承認されるプロセスに移ります。
複数の見積もりを比較し、コストや品質などを考慮して発注先を選定します。この段階では、信頼性や実績、納期遵守などの要素が重要となります。選定された発注先との信頼関係を築くことは、将来の取引において大きなメリットとなります。
発注の確定・発注書の送付
発注先が決定したら、発注を確定し、発注書や契約書を作成します。発注書には、商品やサービスの詳細、数量、価格、納期などが明記されており、双方の確認と承認が得られることで正式な取引が成立します。
発注書や契約書を業者に送付し、受領確認を行います。発注書を送付し、受注側と発注側の双方が取引内容を正確に理解しながら、取引をスムーズに進行させていきます。
納品確認・受取
業者から商品やサービスが納品されたら、受領確認を行います。発注側は、受け取った商品やサービスが要件に適合しているかを確認し、品質や数量に問題がないかを検証します。これにより、不備や不足がある場合は早急に修正を求めることができます。
支払い・記録
納品内容が正常であれば、発注側は支払いを行い、取引記録を保管します。支払いは、契約に従い納品内容が確認された後に行われることが一般的です。支払いの確認と記録は、会計処理や将来の取引履歴の管理に重要な役割を果たします。
受発注業務フローの重要性
以上の項目はあくまで一般的なものであり、個社ごとにそのプロセスは変化していきます。受発注の業務フローを確認することで、受注から発注までの一連のプロセスを理解し、各ステップの役割を明確に把握することができます。これにより、タスクが効率的に処理され、無駄な手戻りやミスが減り、時間とコストの削減につながります。また、業務の透明性が高まり、進行中の仕事や問題点を把握しやすくなることで、適切な管理が可能になります。
加えて、受発注の業務フローを確認することは、受発注業務に関する法的規制や要件を遵守することにも繋がります。法律遵守の欠如は重大な問題を引き起こす可能性があるため、業務フローの適切な把握は企業にとって不可欠です。
受発注業務におけるよくある課題
ここまで受発注業務における一般的な業務フローについて確認してきました。ここからは、その際に生じる可能性のある課題をまとめます。生じうる課題やミスを事前に把握しておくことで、実際にそのような場面を未然に防いだり、仮にそのような場面に陥ったとしても適切な対処が可能となります。
課題①:入力作業の手間やヒューマンエラー
受発注業務における初期の課題は、手動データ入力に関連するものです。FAXや電話などアナログな手法での受発注管理をしている場合、確認した内容を紙もしくはシステムに人の手で入力する必要があります。データの手動入力は非常に時間と労力を要し、ヒューマンエラーが生じてしまうリスクが高まります。例えば、注文情報や顧客詳細をシステムに入力する段階で、従業員が誤って数字を入力したり、必要な情報を入力し忘れてしまうことがよくあります。この課題が放置されると、誤った出荷、請求書の不正確さ、またはカスタマーサービスの不満足など、数多くの問題が生じる可能性があり、結果として長期的な取引に繋がらない場合が増えてしまいます。
課題②:納期遅延
納期の遅れは、受発注業務でよくある問題です。これは、お客様から信頼されることが大事なビジネスにとって非常に大きな問題となります。納期が遅れる主な理由は、次の3つです。まず、1つ目は、商品の在庫をきちんと管理できていない場合です。在庫管理が適切でないと、必要な商品を必要な時に提供できなくなります。次に、商品を作るプロセスの遅延です。生産プロセスに不備があると、その分お客様に商品を提供するまでに時間がかかってしまいます。最後に、商品を運ぶ際のトラブルです。適切に在庫や生産プロセスを管理しても、輸送時に不備があればお客様に適切なタイミングで商品をお届けすることはできません。在庫の最適化、生産プロセスの改善、効果的な輸送管理について適宜確認してみることが大切です。そうすることでお客さんに迅速で信頼性のあるサービスを提供できるようになります。
課題③:注文書や契約内容の誤り、請求・支払いトラブル
不明瞭な注文書や契約書が作成されると、受発注業務における誤解やミスの可能性が高まります。さらに、注文内容と一致しない請求書が送付されることで、支払いトラブルが発生することもあります。これらの問題は、顧客から大きな不信感を抱かれる場合もあり、場合によっては法的なトラブルにつながることも考えられます。単発的な取引ではなく、長期的に取引を継続させていくためには、契約周りのミスに対して常に慎重になる必要があります。
受発注業務におけるよくある課題の解決策
ここからは、上記で確認してきた受発注業務におけるよくある課題の解決策について解説します。
課題:入力作業の手間やヒューマンエラー
解決策①:オートメーションツールの導入
受発注を管理するシステムは、受発注業務における入力作業の効率化やFAXや電話対応などのアナログな手法をデジタル化するために最適な手法です。これらのツールを導入することで、データ入力の手間を大幅に削減できます。具体的には、注文情報や顧客データを自動的に取得でき、手動入力の削減につながります。これにより、入力ミスや情報の抜け漏れを最小限に抑え、業務プロセスをよりスムーズにすることが可能です。
解決策②:チェックリストの運用
チェックリストは、入力作業におけるミスを減らすための重要なツールです。受発注業務の各ステップを詳細にリストアップし、チェックリストを作成します。これにより、作業内容が明確になり、担当者は漏れなく必要な作業に取り組むことができます。また、チェックリストは研修などのトレーニングの一環としても活用でき、従業員のスキル向上にも活用することができます。
課題:納期遅延
解決策①:生産体制の可視化
生産や作業体制が複雑である場合、業務の責任の所在を明確にし、作業フローを可視化することが重要です。これにより、どの工程で遅れが生じているのかが把握でき、問題の特定と対策の立案が容易にできるようになります。生産体制を可視化したい場合は上記の業務フローの図もご活用ください。
解決策②:リードタイムの短縮
各作業工程の所要時間を詳細に分析し、どの部分で時間を節約できるかを特定します。ただし、品質を犠牲にしないように注意が必要です。改善ポイントを見つけたら、プロセスを最適化し、どうやったら少ない時間でスムーズに生産できるかを考えていきましょう。
課題:注文書や契約内容の誤り、請求・支払いトラブル
解決策①:法務部門との連携強化
注文書や契約書に関連する法的な側面をチェックするために、法務部門との連携を強化しましょう。法務の専門知識を活用して、契約書が適切かつ法的に正確であることを確認します。これにより、契約違反や法的なトラブルを未然に防ぐことができます。
解決策②:支払いシステムの改善
支払いトラブルを防ぐために、電子請求書とオンライン支払いシステムを導入しましょう。電子請求書は紙請求書よりも正確で効率的に管理することができます。また、オンライン支払いシステムを利用することで、支払いの遅延を防止できます。リマインダーを設定して支払い期限を管理することも、支払いトラブルを回避するために役立ちます。このようなシステムの導入は、支払いプロセスを迅速化し、取引の円滑な進行を実現することが可能です。
まとめ
本記事では、受発注の業務フローを確認し、そこで起きがちな課題とその解決策について解説しました。今一度貴社内の受発注のフローもご確認いただき、改善の余地がありそうであれば、上記を参考にしながら対策を講じてみてはいかがでしょうか。
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